複合型ヘッダー

昨今、高精度を要求される精密部品の生産設備は、ハイレベルでの繊細な加工、組立てが不可欠となっています。 SACMA社は、全ての構成部品を社内生産する事を選択し、その生産上ではトータルクオリティーの向上を目指し、現市場で可能な限りモダンな生産設備を導入しています。
全ての製作部品類を保管倉庫にストックする前に、システマティック、且つ厳正なチェックを実行する事で、全スペアーパーツの互換性や有効性を最大限にお約束します。
率先した高張力鋼の採用や、適切な焼入れ処理、研磨、ラッピング加工による最終仕上げなどは、SACMA社製機械の高い信頼性や生産性、更には経済的な機械を実現します。
SACMA社製機械はネジ付スリーブによるダイボックスやキックアウトスリーブ、最終st.のトリムカム調整用として、油圧クランプシステムを標準装備しています。
SACMA複合型ヘッダー上では、”M”と称する自動モーターライズドシステムがセットアップタイムの短縮やファインアジャストを可能にする重要なファクターとなります。
生産製品別にデータベース内にプリセットされたデータは、材送、ストックストップ位置、ダイキックアウト位置決めなどの容易な復元に役立ちます。
更に各調整部やツールクランプ用油圧クランプシステムは、初期セットアップや段取り替え時の各調整部の再現性に大いに役立ちます。

sacma, 冷間ヘッダーシリーズ, 複合型ヘッダー

クイックツールチェンジ

可能な限り短時間でのツールチェンジを可能にするコンセプトが、従来の冷間フォーミング業界の常識を破る小ロット生産への対応や、更に競争力のある生産性を現実のものにする最新型産業設備としては不可欠です。

SACMA社は、ツールチェンジシステムの開発に際し、基本的な機械自体の特徴となる剛性やパワーを損なう様な妥協は許さず、”CR”と称するクイックツールチェンジシステム仕様モデルはヘッダーサイズ3,4,5,6用としては標準装備となり、油圧クランプ式ダイブロック、パンチブロックボルスター、及び搬送アーム一体ユニットが容易に脱着出来ます。

SACMA社順送型、及び複合型フォーマーのブランク搬送メカニズムは、他メーカーにても典型的な失敗例が数有り課題とされている、長年の検討を経た世界基準となっています。
搬送用フィンガーの精密な構成は、スムーズなオシレーション運動を可能にするメカニズムや、パーフェクトな位置決め制御と最大の生産スピードを可能にするデスモカム(ダブルカム)システムにより確立されています。
搬送タイミング位相のマルチアジャストと、クランプフィンガーのクランプ力やフィンガー開閉スピードのバリエーションが、スプリング未使用の仕様と相俟って長尺ブランクから短尺ブランクまで、安全且つ最大スピードでの搬送を可能にします。

sacma, 冷間ヘッダーシリーズ, 複合型ヘッダー, クイックツールチェンジ

ポインティング、ネジ転造 (平ダイス) 複合ステーション

フォーミング最終st. より、フォーミングブランクの形状、及びサイズに従った容易な調整が出来るフィンガータイプの搬送エレベーターにより、先ずポインティングst. へ搬送されます。 調整機構は、オペレーターがアクセスし易く、容易に読み取れる”マイクロメトリック”により構成されます。 

そして、フォーミングブランクは先端部加工st.のポインティングユニットへ送り込まれ、先端加工が行われます。 自動車産業にて多用されている先端角: 90°を含めいろいろな形状や角度の先端加工が可能です。 

そして、ポインティングステーションから次の平ダイスネジ転造ステーションに搬送されます。 ネジ転造ステーションには平ダイスが装備され、メインスライドの交互の動きに追随し、平ダイス間にフォーミングブランクを正確に投入する為に、ストッパーゲートとシングルスターターブレードシステムがガイドレールの最終端部に設置されています。

ネジ形状プロファイルの最適な調整は、スライドの駆動部接続ロッドに使用しているエキセントリック調整部や、平ダイス取り付け部の縦方向調整用ウエッジにて得られます。
取り付けられた平ダイスは3次元にて調整可能であり、平ダイス固定型の取り付け用として稼動型に対する確実な平行出しと、ネジサイズに従った正確な位置出しの為、特殊フィッティングプレートが採用されています。 そして、平ダイス型の位置決め完了後の固定ロックは、機械サイズにより油圧クランプ方式か手動クランプ方式となります。

sacma, 冷間ヘッダーシリーズ, 複合型ヘッダー, ポインティング、ネジ転造 (平ダイス) 複合ステーション

モーターライズド

SACMA社は、自動モーターライズド仕様の”M”バージョンとともに、ワイヤーストッパー調整、ワイヤーフィード長、ブランク排出、及び各st.のダイキックアウトレバーの位置調整用として”SC-MATIC”も合せて提供します。 

このシステムは、全ての設定値を無制限のコードナンバーで簡単にメモリーが出来、全てのアラームや異常発生時の自己診断などを管理します。又、このシステムは段取り替え時などに扱い易いユーザーフレンドリー設計であり、初めて掛ける製品用の初期セットアップ時にも容易な機械調整の仲介役としても役立ちます。

sacma, 冷間ヘッダーシリーズ, 複合型ヘッダー, モーターライズド

及びロードモニタリングシステム

そしてSACMA社は、フォーミング、及びネジ転造ステーションのモニタリング制御システムも提供し、フォーミングst.のロードモニターとしてはKN換算で各ブローの鍛造時の負荷、及び作用曲線を測定する”SC500”システムとなり、各ステーション間での製品回転のチェックとしては”SC700”がモニタリングします。

ネジ転造ステーション用としては、”SC700”システムが転造時に製品が完全に平ダイス間を通過したかどうか、1サイクル内での作用曲線モニタリングと合せ負荷モニタリングを行う。 そして、ポインティングステーションでは、制御システムが加工端までの正確な加工完了を保証します。

sacma, 冷間ヘッダーシリーズ, 複合型ヘッダー, 及びロードモニタリングシステム

“V” バージョン

複合型ヘッダーの中で、”V”バージョンモデルは短尺製品生産用の専用設計となっており、ポインティングステーションでの先端加工向け供給ガイドレールには、正確な位置決め供給を可能にするバイブレーター式パーツフィーダーが付属され、フォーミング最終st.より排出された鍛造、若しくはトリミング完了製品はカップ型バケットにてボウルまで搬送されます。 
先端加工されたブランクは、その後ネジ成型の為ネジ転造ステーションに搬送されます。

sacma, 冷間ヘッダーシリーズ, 複合型ヘッダー, “V” バージョン

プリセッティング

全ての”CR”バージョン・クイックツールチェンジモデル機は、機外でのツールセッティングや各st. の金型に対するパンチのセンターセッティング用として、オプションにて機外セッティング用特殊専用ベンチが用意されています。 そしてこのベンチは、ダイボックスに位置する固定ブロックごと搭載でき、また組付けパンチホルダー全体の位置する摺動ブロックが搭載でき、機械上でのスライド前進端までのヘッドスライドの完全なシミュレーション確認が出来ます。 更に、このベンチには搬送アームユニットの搭載も可能で、搬送ブランクのセンタリング用ジグ調整のセットアップも出来る様になっています。

sacma, 冷間ヘッダーシリーズ, 複合型ヘッダー, プリセッティング